●起業に至った経緯、または起業に興味を持った経緯
映画が好きで、でもどちらかというと映画を創る人というよりもそういった方がビジネスをしやすくするインフラを作ったり、新しいビジネスモデルを実現する経営者になりたいと思っておりました。そんなとき、いまから作る会社の代表やらない?というオファーに「そうか、自分で会社を作ればとりあえず経営者にはなれるのか」という短絡的な発想でYES!と言い会社を作り代表となりました。
●育った環境と起業の関わり
父が国家公務員だったこと、父方の祖父が新聞の文芸欄の記者だったこと、母方の祖父がバス会社を起こし経営していたことは、インフラ×映画(文化)×経営者という発想の源流にあるのかもしれません。
しかし一つのことをよくするというより、「責任ある立場にたって、より多くの人が享受できるもの仕組みを作る側になる」ことへの憧れはいちばん間近で見ていた父の影響が強いのかもしれません。映画が好きなのは小さいときに父が映画の話をしたりよく見ていたことが大きいです。Bunkamuraで上映されるようなアート色の強いヨーロッパ・アジア映画が好きなのは母の影響です。
●メンター・ロールモデル・影響を受けた人
これまで仕事・プライベートを通じて出会った方に強く影響を受けた方は多数いますし、家族ルーツなので当然そうですが、衝撃的と言えるほどの影響を受けたのは「採用基準」の著者の伊賀泰代さんです。
マッキンゼーの面接で最初に会ったのですが、キャリアを能動的に設計し驚くようなインサイトをお持ちで幅広く活躍されている姿に感銘を受けました。「社会に対してインパクトのある仕事をきちんと/まじめにする」と「自由に生きる」を両立させていることに驚いたのです。
こういう生き方は「腕に覚えあり」的な突き抜けた芸術家とか職人とかでない限り難しいと思っていました。事業家とか経営者もイメージがわかない、サラリーマン家庭に育ち周りもそういう方が多かった私には「社会に貢献する仕事をまじめにする」=「(窮屈な)大企業でずっと働くこと」という先入観がありました。自分もそこから逃れられない運命なんだと。
しかしそうじゃないんだと実感し、自分も伊賀さんのように「自由」と「インパクトのある仕事」を両立させる生き方をしたいと考えるようになりました。
●失敗談
枚挙にいとまがなさ過ぎて悩みますが、自分として印象的なのは、お客さんから突然「ちょっと相談があるんだけど、近くに来てるから一杯どう?」といわれて渋谷の焼き鳥屋さんでお話ししてたときのこと。
その頃はわたしは飼い犬(4キロぐらいの小型犬)をオフィスにこっそり連れて行っていて、その日も何も言わずにバッグの中に忍ばせていました。ビールも進み、「そうですね。なるほどですね。そうですねー。なるほどですねー。」と相づちを打っていたところお客さんが突然「ってオーイ!この店、犬がいるじゃないかぁ!!」と叫びました。
溺愛犬は普段バッグの中ではぐっすり寝るのですが、そのときは焼き鳥臭に感化されたか、いつのまにかバッグを脱出していて、お客さんに「あそんであそんで」としっぽふりふりしておりました。お客さんもそうですけど、お店の人にも相当迷惑でした。本当に申し訳ありませんでした。